CSSセレクターとXPath IDの比較

エレメントを選択する際にCSSセレクターとXPath IDのどちらを使用するのがよいか迷うかもしれませんが、これは主にエレメントが使用されているコンテキストによって異なります。CSSセレクターとXPath IDはどちらもWebエレメントにアクセスするための優れた方法で、サイトのDOM全体にアクセスすることができます。そのため、客観的にはどちらかが優れているということはありません。CSSセレクターの方が表現しやすいものもあれば、XPath IDの方が表現しやすいものもあります。

CSSセレクターが適している場合 (CSSセレクターの特長):

  • 一般にXPathよりも速い
  • 構文を理解しやすい/覚えやすい。つまり、CSSセレクターの方が読みやすい
  • 開発でよく使用される (JQueryではCSSが多用される)
  • 一般に、XPath IDで行えることはほとんどCSSセレクターでも行える

CSS (カスケーディングスタイルシート) は、XMLやHTMLなどのマークアップ言語で書かれたドキュメントの表現の詳細を記述するための言語です。CSSでは、HTMLエレメントの画面上での表示方法を記述します。CSSは、さまざまなデバイスや画面サイズに対応したデザイン、レイアウト、表示のバリエーションを実現するのに役立ちます。詳細については、こちらをご覧ください。

CSSセレクターの例 (提供元: W3Schools):

セレクター説明
.class.introclass="intro" のすべてのエレメントを選択する
#id #firstnameid="firstname" のエレメントを選択する
[attribute~=value][title~=flower]title属性に "flower" というワードを含むすべてのエレメントを選択する

XPath IDが適している場合 (XPath IDの特長):

  • 1つのセレクタータイプのみをサポートする場合
  • お使いのブラウザーがCSSや必要なすべてのCSSセレクターをフルサポートしていない場合 (IEなどの古いブラウザーは、すべてのCSSセレクターをサポートしていません)
  • XPathのみでサポートされるタスクを実行する必要がある場合 (DOMをたどってエレメントを見つける場合)

XPathはXMLパス言語であり、XMLドキュメントからノードを選択するのに使用するクエリ言語です。通常、XPath IDに基づいてエレメントを見つける方法は非常に効果的に機能し、柔軟性にも優れています。XPathの表現式は、コンピューターの従来のファイルシステムを使用する際に目にする表現によく似ています。ただし、XPathをメインのロケーター方式として使用する領域では、XPathの影響で処理速度が低下する可能性があります。

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XPathセレクターの例

XPathセレクターの例と構文は、こちらで参照できます。

ブラウザーによる違い

  • ChromeとFirefoxはCSSのパフォーマンスを高速化するよう調整されています。
  • IE 11ではXPathの方が速く動作します。

XPathとCSSの大きな違いの1つは、XPathがDOM階層の順方向/逆方向の両方でエレメントを検索できるのに対し、CSSは順方向でしか動作しないことです。このため、XPathでは、子エレメントを使用して親エレメントを見つけることができます。ただし、ほぼすべてのブラウザーで、XPath IDを使ってネストされた兄弟関係をたどったり、テーブルを走査したりするのは高コストです。